こんにちは。金澤です。
只今、大学の図書館にきて、論文を読みふけっております。
事業仕分けの対象になりました、労働政策研究・研修機構ではありますが、
日本労働研究雑誌など、研究を行っているものとしては、
大変助かっています。
そちらの成果物でおもしろいものが最近出ましたが、
それは次回に。
さて表題のものが、2008年10月の日本労働研究雑誌に掲載されていました。
今回も制度変更が行われております。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/tp0701-1.html
今回は男性の育児休業制度や、休暇などの整備が必要となってきましたが、
では実際にこのような法律は、どのような影響があるのかを実際に検証してみるというのが今回の論文です。
このような論文は、先行研究が掲載されており、過去の背景などもかいま見れることがさらに大きいです。
たとえば、実際に育児休業期間がながければいいかというと、ドイツにおいて育児休業期間が長いほど、再就職しにくくなることが明らかになるといったOndrich. Spiess and Yang(1996)のものや、アメリカのHan and Waldfogel(2003)の無休期間の育児休業制度が休業取得に影響があるか?(男性は影響がなく、女性は増加)といったものがみることができます。
おもしろいことに、育児休業制度があっても、結婚が促進されない(滋野・大日 1998)が、出生率は上がる(駿河・西本 2002,森田・金子 1998)といったものもあります。こういうものもみることができるのが、論文の良さでもあります。
さて、本題の育児休業制度はどうなのか、というのは、実際には継続就業が促進されているのは確認(滋野・大日 2001,樋口・阿部・Waldfogel 1997)されているものの、制度変更によって促進されているかどうかが実証されていないのではないかというものを実証するのが今回のものです。
で、2000年の改正においては、実際に離職率低減について、有意になったということが、出てきたというのが、今回の論文になります。
そして、この論文を見て感じるのは、次のステップとして、どのように活躍するきっかけを作るのか、というのが次の議論になるかと考えます。
離職しない状況はあくまで、マイナスから0にいくためのものと自分は考えます。いるからには、最大限の貢献をどのように作り出すか、これは会社にとってという組織の視点もそうですが、個人としての実現。この部分も考えていく必要があると思います。
最近では、単なる復職ではなく、キャリアに関するものも聞くようになってきました。全員がそのように活躍を行うかというのは別の議論として、0からプラスの議論を考えていく必要が当然ながらあります。まだまだ、多くの企業で模索段階のようにも思えますし、そこまでいけないという企業も実際には多いと感じています。
とはいえ、長い目でみなければいけないというのは確かであり、一つ一つ組み立てて、実行することが大事かなと、少し話が飛躍しつつも、論文を見ながら感じました。
いくつかの企業で支援策を提示・支援していますが、もっと力をつけなくてはいけないと改めて感じております。
今回紹介の論文
「育児休業制度の制度変更が女性の継続就業に及ぼす影響」佐藤一磨,日本労働研究雑誌,Oct.2008 No.579,労働政策研究・研修機構